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ビジネス

2023.04.17

U.S Inc.代表 井澤佑介インタビュー vol.3 ”全く新しい感動体験”をどう実現するか。 新しいU.S Inc.に向けて、進化し続ける組織を作る。

U.S Inc.は2023年5月に第6期を迎える。今までの5期での経験を経て、「感動体験を届ける会社」と再定義したU.S。感動体験をどのように届けるか、そのためにどんな進化をするべきなのか。U.Sとしての更なる進化について聞いた。

過去のインタビューはこちらから

U.Sinc代表 井澤佑介インタビュー vol.1
”遊ぶように働く”U.Sincの掲げるフィロソフィーの意味

U.Sinc代表 井澤佑介インタビュー vol.2
”遊ぶように働く”はどのようにして生まれたか。 未来を描き続ける力の重要性。

 

感動体験を届ける会社としてどう変容させていくか。

僕らはこの5年を通して、いろんな気づきがありました。
リクルートから独立して、最初は気合いや意気込みを買ってもらって、いろんなことを任せてくれたクライアント、そして紹介をくださった皆さん、そこにさらに協力してくださったパートナーの皆さんの協力があって、ここまでやってこれて。どう考えたって、僕らだけではここまでやりきれなかったと思うんですよ。なので、本当に改めて感謝しかないですね。

その気づきの中で、フィロソフィー自体は変わっていないですが、事業体としては大きく変容させていくタイミングにあるんだろうなと思っています。もっと先の未来を見通した時に「感動体験を届ける会社」として自分たちの会社を定義し直そうとしている。ならば、具体的な戦略や戦術をそのように進化させていく必要もあるんですよね。

その中で大きく決めたことが2つあります。1つは「より自社から直接カスタマーに届ける接点を持つ」と言うこと。つまり、自社事業としてtoC事業を展開していこうということです。そして、もう1つは「より自由と責任を同時に渡せる組織に進化する」と言うことです。

 

事業自体の比率を変化させていく。

自社事業として、toC事業を強化するというのは、かなり僕らにとっては大きな変化です。これは、クライアント事業を疎かにするわけではなく、拡大だと思っていただければと思います。
僕らの経験上、極端な言い方をすると、今まではあくまでも学習装置としてtoC事業を扱ってきました。事業運営ノウハウがないと、クライアントに大きく価値提供できない、事業にコミットできないという文脈で、身銭を切って実験をしてきたと思っています。
他方で、僕たちが本当の意味で「感動体験」を届ける存在になろうとすると、ここを本気で踏み込んでいく必要もあると気づいた。クライアントの皆さんを通してユーザーを幸せにする、それだけではなくて、自分たち自身がもっと直接的にユーザーを幸せにし、それに対価を得られる状態にならないといけないなと。もっとビジネスモデルや事業を見直してここにコミットする体制にしていかないといけないと思っています。

まだオープンにはできないところも多いのですが、金沢茶寮やroom705の実績から、共同事業をはじめてみませんか、という声かけをいただくことも増えてきており、体験運営・ハコモノビジネス、D2Cなどジャンル問わず、ここから5年間は大きく仕掛けていこうと思っています。体験の場所を増やしたり、体験に付随するユーザーサービス、あるいはオンラインとオフラインを行き来できるようなサービスなど。第6期はどのくらいこのニュースを出していけるかがポイントになる気がします。

そして、逆に今度はこれらの実績をみて、選んでくださるクライアントを改めて増やしていきたいと思っています。今までは、僕たち自身の過去の案件、それはリクルート時代のものも含めた実績や、僕らの提案そのものを買ってくださっていたところが多かったのと、ありがたいことに、クライアントの方がクライアントを紹介してくれることも多かったのですが、もっといい意味で事業が目立って、そこから声をかけてもらえるようになっていく必要もあるなと思っています。そんな切り替えのタイミングが6期になるのかなと。

もっともっと、自由と責任を渡し続ける組織に。

こうして事業体が変わろうとしていくと、僕たちのフィロソフィーでもある”遊ぶように、働く”がより求められるようになってくると思っています。遊ぶように働くとは、常にアップデートし続けるプロフェッショナルであり続けるためのスタンスのようなものだと話をさせていただいたと思うのですが(詳細はvol.1を参照)、これを突き詰めていくと、1人1人に「自由と責任」をきちんと渡そうと言うことだと思っています。

そのためには組織自体を大きくそちら側に変容させていかないといけません。公平な機会を与えて、正しく成果を測り、達成した人を正しく評価する。こういうと、ある意味でドライと思われるかもしれませんが、能力を高めつづけようと成長し続ける人にとっては実はこちらの方がいい制度だと思っています。

そして、そんな人たちのために、働き方はもっともっと、自由にもしたいです。プロフェッショナルであること、責任を果たすことをメンバーに求めると言うことは、会社は、その成果を評価して、金銭的にも、非金銭的にもその分の報酬や価値を得られる仕組みや制度を作らないといけないということでもあるんですよね。

別にU.Sじゃなくても活躍できるけど、U.Sだから楽しい、居続けたい、居心地が良いみたいな状態をどう作るのか。それは、当然報酬を高めることも必要だし、今のポテンシャル以上の仕事を任せて成長できる環境、挑戦できる環境を用意することだともいえるし、あるいはクリエイティブな発想が生まれやすくなるような働き方の実現なのかもしれない。これは、会社側の課題です。ここは経営者として、コミットしていきたい点です。


チームで変化し続ける未来に挑む。

色々言ったんですけど、端的に言うと、僕、多分、U.Sをレアルマドリードにしたいんだろうなと思ってまして(笑)全員が1人1人としてプロフェッショナル、スター選手であり続ける。これを前提として、パスしあって声かけしあって進められるチームだから、その成果が何十倍にもなる。それがやりたいんですよね。

僕自身、いろんな性格やいろんな個性を持った人間が集うからこそ、面白くなっていくと言うのは思っているんです。例えば、共同経営者の朝本は、僕とは全然違う強みがあって、創業時は「2人で経営するのはどうなんだ」みたいに色々周りに言われたりしたんですけど、いい意味で補完して行っていると思うし、それって互いが互いの強みを発揮できる状態であり続けてくれているからだと思うし、今振り返ってもそれで良かったと思ってるんですよ。
僕はチームプレイを信じてます。誰かが突っ走るわけではなく、全員で挑めるチームにしたいと思っています。そのために、僕は僕ができることをやらないと、と思っている。今はそんな状態かもしれません。

そしてそのチームプレイをするには、前提となる、コミュニケーションも大事だなと最近改めて思いますね。意外と思われるらしいのですが、僕はメンバーとワイワイ飲み会するのが好きです(笑)今でも、どこからともなく、ビールを買ってくる人がいて、オフィスで飲み会が始まることもあります。朝のオフィスで突然朝ごはん会開かれたり、たこ焼きパーティー開かれたり、鍋会したりとか、メンバーの誕生日を全員で祝う文化とかもそう。これらは、それは何の制度にしたわけでもないし、誰かが強制したわけでもないのですが、自然発生的に生まれて、メンバーが自主的に企画してくれています。これはU.Sのチーム文化なのかもしれないです。

未来って言うのは、予測はできるけど、どんどん変化していくんです。この変化の波に倒れるチームであってはならない。そのために、自ら描く未来に邁進できるチームにしたいし、プロフェッショナルとして、遊ぶように働き続けるチームであり続けたい。全員でこれを実現できるようになっていくことで、U.Sは何倍にも、何十倍にも、力を出せるようになると思うから、それをより強めていく6期にできたらと思っています。

代表取締役 / Business Designer
井澤 佑介
アパレルメーカー広報兼SV、株式会社リクルートのシニアクリエイティブディレクターを経て、朝本と共に2018年U.Sincを設立。主に企業やサービスの事業戦略立案・コンサルティングやクライアントの新規事業立ち上げ、会社設立などのビジネスデザインを行う。「机上の空論に価値はない」と考え、自社事業としてライフスタイルブランド、D2Cブランド、スモールホテル事業などに積極的に投資・立ち上げ。実業を通じたリアルな経営データ、事実、経験に基づく戦略立案、プロデュースを得意とする。「遊ぶように、働く。働くように、遊ぶ」が人生のコンセプト。